ナザレ


今回の旅でもっとも強い印象を受けたのはたぶんここ。海の町、漁港の町、ナザレ。高台へ登って目にした風景。突端のシティオ岬へと下って目の前にあらわれた圧倒的な存在感の海、美しい海岸線。

突風が吹いているのに、かもめはバランスをとって空中の一定の場所にほぼ静止している。風に乗っているのか、それとも抵抗しているのか。その姿はあまりに美しく、見せつけられているようだった。そして虹が、町と反対側の無人の浜辺にあらわれる。なんだか啓示的だ。

ナザレは夏のバカンスの街でもある。この人気のない砂浜が水着姿の人であふれ返る。
この日は嵐と晴れを30分おきに繰り返すような荒れ模様。もの淋しく閉まったみやげもの屋は、冬の江ノ島のようだった。


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■ ナザレ
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