内裏の中、京都御所




内裏の中、殿上人の住まいを拝見してきました。

正しくは「京都御所」いうのは、上の写真のとおり内裏のことを指していて、
内裏のまわりの緑地を含めた場合は「京都御苑」といいます。

でも、ふつうは両方合わせて御所と呼ばれています。
とても広いです。南北1300m、東西700m。

御所は市民の憩いの場。
犬の散歩や芝生の上でお昼寝。よい所です。
(→1999秋のページ

いつもはそんなふうに遊んでいるのだけど、
今日は内裏の門をくぐって、本当の「御所」に入りました。


普段は内裏の中には入れません。
基本的に宮内庁に事前申請が必要。
ただ年に2回、春と秋に一般公開していて、今年の秋は11/6(水)〜10(日)でした。


内裏の正門、建礼門。
閂だきっちりかけられた、門の内側。

ここを開いたら、前には広い道がまっすぐ南に伸びています。
道幅20mくらいかなあ。30mかも。ただ砂利が敷き詰められているだけの道です。

といっても、御所が今の場所に移動する前、
平安京ができた当時の朱雀大路は、幅85mもあったそうな。


内裏の中心、正殿である紫宸殿(ししんでん)を取り囲む回廊。

そして門。

回廊の奥が紫宸殿。
屋根がすごい。
むちゃでかい。屋根の面積が広い。
屋根はヒノキの皮で葺いた「桧皮葺屋根」(ひわだぶきやね)。
その質感とカーブの感じ、面積の広さがとても美しい。

だけど、桧の森が少なくなっているため値段も高く、葺き替えは大変だということです。

紫宸殿の殿上に、天皇の玉座。

「玉座」
権力者が自己の社会的権威を誇示するために公的な場所で使用する座,または座具。
玉座は通常踏段を備えた高台に設置され,権力者はつねに高い位置を保持し,被支配者たちを見下ろすところに着座する必要があった。

ビシビシ権威を感じます。

椅子式生活の伝統がない日本では,玉座は一つには天皇が朝儀の際に着座する御座所を指す場合と,御所の紫宸殿や清涼殿の殿上の間で,群臣の拝を受ける際に着座する御倚子(ごいし)のことを指す場合とがある。
後者は紫檀または黒檀で作られ,座面の両側と後部に低い勾欄(こうらん)を備え,鳥居形の背をつけた形式で,錦の縁飾をつけた座布団をのせている。
平凡社「世界大百科」より

中国そのものの、玉座。
御所の中で、紫宸殿と回廊、ここだけがものすごく中華です。

左右相称。
北京の紫禁城と明らかに繋がっている感じがする。


紫宸殿を後にして、奥へ、奥へ。

こちらは清涼殿。昼間日常的に過ごしていたところ。
真ん中のテントのようなものの中に天皇が坐り、
殿上人たちと紅葉を愛でてる場面を再現。

そのもっと奥には、天皇が勉強するスペース、蹴鞠スペース、寝所と続いていて、
その前には、こんなこんな庭が広がっています。


至るところに散りばめられた、菊のモチーフ。
菊は菊でも、16枚の花びらの菊紋が皇室の紋章なのである。


松がメインの庭園。

その緑色の間で、もみじは紅く染まっていました。

今年の紅葉は1週間早いと言われています。




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