手塚治虫「火の鳥−乱世編」冒頭に出てくる祭りの場面。
それは京の春の祭り、やすらい祭り。
京都の三大奇祭のひとつとされています。
あぶりもちの今宮神社にて、平安時代にはじまったそうです。
主旨といったら、やはり無病息災。
こんなふうに人形(ひとがた)に自分の名前を書いて・・・
お供えして、
悪いものを「とんでけとんでけー」してもらいます。
花笠に入ってぐるぐるまわるのも、効くらしい。
ほなやっとかな。
悪霊を退散させようと、踊るひとたち。
前髪をぜんぶ垂らしているので、顔がみえません。
髪のすきまからチラと見たところ、中はおっちゃんだった。
あぶりもちの今宮神社界隈はもちろん、
踊るひとたちは、近所の氏子の家をまわって、お祓いをします。
青い着物のひとが唄をうたう。
やすらいやすらいやすらい花やぁ〜。
春、桜が散りはじめると、疫神が分散して疫病がはやると考えられてきた。
やすらい祭は、その疫神を鎮めるための花祭。
桜よどうかやすらかに散ってほしい、ということ。
それはさておき、京都ネイティブの人に「やすらい祭りに行った」と話したら
なんじゃそら、と言われてしまった。
京都の西の北のはてにある神社での行事など、関係ないわけだ。
同じ京都に住んでても、祭りだからっていろいろ行くわけじゃないんだよね。
基本的に祭りはその祭りにかかわる人たちのものであって、
祭りだーとあちこちに出かけるのは外から来た人びとなのであった。