野村別邸





南禅寺の程近く、北西の方向にとんでもないお屋敷町があります。
「なにこれ。どこここ。」
そのくらいの。

その界隈でも圧倒的にうつくしいのが「野村別邸」です。

チリひとつ落ちていないこの一角。
ほとんど人も歩いていない。
静かにただよう緊張感。


正門付近の桜。
ものすごくうつくしい。
ただのソメイヨシノの並木なんかではなくて。

いくつかの種類の桜、いくつかの色合い。
赤松の葉の緑と、赤茶けた幹。
桜との絶妙なコントラスト。絶妙な配置。



それはもう、洗練された美しさなのです。
雅なり。


普段は人通りが少ないけれど、ここは知る人ぞ知る桜のスポットのようだ。
人力車やタクシーの運ちゃんの案内で観に来ている人が多かったです。



野村別邸「碧雲荘」
金融財閥「野村財閥」を一代にして築き上げた野村徳七(1878-1945)が大正6年から10年がかりで造ったという京都・東山の別邸。敷地面積はなんと六千坪とか。
野村徳七は大阪のちっちゃい両替商の家に生まれて、両替商だけではこれからはアカン!と、株の売買取次ぎ業務に進出し、日露戦争、第1次世界大戦のころの株式ブームのなかで当てつづけたそうです。そして野村證券、現大和銀行、今はなき東京生命、野村総研などを抱える巨大金融財閥にまで発展させた傑物なのです。
また、彼は大変な趣味人で、特に能や茶の湯に傾倒し、彼のコレクションは隣接する「野村美術館[WebSite]」に収められています。
個人の邸宅ゆえ、中に入ることはできません。ここを訪れた橋龍(橋本龍太郎!)がお撮りになった写真がここにあります[1][2]。・・・これほどの庭園がこの門の中に広がっているなんて・・・ビックリ!





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